社会保険5つの制度
広い意味での社会保険は、次の5制度に分けられます。会社の求人票にある「社会保険完備」は、一般に健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険への加入を指し、40歳以上など一定の人は介護保険にも加入します。
医療保険
医療機関の窓口負担を抑え、高額療養費などで家計への急な負担を和らげます。会社員等は健康保険、自営業者等は国民健康保険、原則75歳以上は後期高齢者医療制度が中心です。
病気・けが・出産に備える
介護保険
介護を家族だけで抱え込まず、社会全体で支える制度です。要介護・要支援認定を受けると、訪問介護、通所介護、施設サービスなどを原則1〜3割の自己負担で利用できます。
要介護・要支援に備える
年金保険
老後の所得だけでなく、一定の障害状態になったときや、生計を支える人が亡くなったときも給付を行います。国民年金を土台に、会社員・公務員等には厚生年金が上乗せされます。
老齢・障害・死亡に備える
雇用保険
離職時の基本手当だけでなく、育児・介護による休業、教育訓練、再就職などを支えます。働く意思と能力がある人の生活・雇用の安定を図る制度です。
失業・休業・学び直しに備える
労災保険
仕事中や通勤中のけが・病気・障害・死亡等に対し、治療、休業、障害、遺族への給付を行います。保険料は原則として事業主が全額を負担します。
業務・通勤による災害に備える
暮らしのポイント
加入先は働き方や年齢で変わります。退職時は健康保険と年金の切替えが自動ではないため、会社・市区町村・健康保険組合などで期限を確認しましょう。
誰に、どんなとき適用されるのか
「加入するための要件」と「給付を受けるための要件」は別です。まず自分がどの制度の被保険者かを確認し、必要になったときに給付ごとの条件を調べます。
医療保険
会社員等は、原則として健康保険の適用事業所に使用されると被保険者になります。短時間労働者は、労働時間・賃金・企業規模など所定の要件を満たす場合に対象です。健康保険に入らない人も、他の医療保険や生活保護の対象者等を除き、住所地の国民健康保険の対象になります。
年金保険
国民年金は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人が原則として加入します。厚生年金は、原則として適用事業所に使用される70歳未満の人が対象です。
短時間労働者は健康保険と同様に所定の要件を満たす場合に対象となり、一定の臨時雇用者等には適用除外があります。
介護保険
第1号被保険者は、市区町村に住所がある65歳以上の人です。第2号被保険者は、市区町村に住所がある40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。65歳以上は原因を問わず、40〜64歳は加齢に伴う特定疾病が原因の場合に、認定を受けて給付対象となります。
雇用保険
原則として、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある労働者が対象です。学生は原則として対象外ですが、卒業後も同じ事業所で働く予定がある場合など例外があります。基本手当など実際の給付には、被保険者期間や離職理由など給付ごとの要件があります。
労災保険
原則として、労働者を一人でも使用する事業に適用されます。正社員だけでなく、パート・アルバイトなど名称や労働時間を問わず、雇用される労働者が対象です。業務上の事由または合理的な経路・方法による通勤が原因であることなど、災害との関係が審査されます。
※ 実際の適用は雇用契約、労働時間、賃金、事業所の区分、住所、年齢などで異なります。個別の判断は各制度の窓口へご確認ください。
根拠となる主な法律
条文は制度の「目的」「対象者」「適用除外」を中心に選びました。各リンクからe-Gov法令検索の現行条文を確認できます。
健康保険法
第1条・第3条・第5条
制度の目的、被保険者と適用事業所の定義、全国健康保険協会の管掌を定めています。
医療保険
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国民健康保険法
第1条・第5条・第6条
市町村の国民健康保険の被保険者と、他制度加入者などの適用除外を定めています。
医療保険
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国民年金法
第1条・第7条
国民年金の目的と、第1号から第3号までの被保険者区分を定めています。
年金保険
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厚生年金保険法
第1条・第6条・第9条・第12条
制度の目的、適用事業所、70歳未満の被用者を原則とする加入と適用除外を定めています。
年金保険
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介護保険法
第1条・第2条・第9条・第19条
制度の目的、保険給付の考え方、第1号・第2号被保険者、要介護認定を定めています。
介護保険
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雇用保険法
第1条・第3条・第4条・第6条
制度の目的と事業、被保険者の定義、適用除外を定めています。
雇用保険
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労働者災害補償保険法
第1条・第2条の2・第3条・第7条
制度の目的、給付の対象、適用事業、保険給付の種類を定めています。
労災保険
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読み方のコツ
法律本文だけで決まらず、政令・省令・告示で細かな基準が定められる場合があります。まず「被保険者」「適用除外」の条文を確認すると、自分との関係をつかみやすくなります。
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